インフルエンザはうがいで予防できる?水を飲むと効果あり?
2016/11/12
毎年年末から2月頃にかけて、猛威を振るうインフルエンザですが日頃から予防を心がけていますか?
基本的な対策として、予防接種、マスク、手洗い、うがいをしている方も多いかと思います。私自身は、小さな子供が2人おり、その子供たちに菌を移さないためにも外から帰宅した際には手洗いとうがいを習慣にしています。しかし、実際はどこまで効果があるのでしょう。
最近では、「うがい」についてはインフルエンザの予防に効果がないとも言われているのでとても気になるところです。そこで、今回はインフルエンザの予防とうがいの関係について紹介していきます。
インフルエンザはうがいで予防できるの?
インフルエンザに限らず菌の侵入ルートとしたら、口、鼻、眼、傷口、泌尿器があります。その中でも、病原体が最も侵入しやすいのが口であることを考えると、うがいに意味がるというのが自然です。
さまざまな病原体がついている口内をうがいで洗い流すのは、手洗いをして病原体を洗い流すのと同じ意味があります。しかし、インフルエンザに関しては風邪の菌に比べて、感染力が強くうがいによる予防効果が小さいと言われています。
インフルエンザウイルスは気道の粘膜に取り付くと約20分ほどで細胞に取り込まれるとされているので、うがいをしてもウイルスを洗い流す前にインフルエンザにかかってしまうというのがその理由です。
ただし、うがいによって喉の粘膜を潤して保湿することができるので、乾燥を好むインフルエンザウイルスを取り込みにくくすることができます。うがいで直接的に洗い流すことはできなかったとしても、口内の環境を整えると意味でいえば「うがい」はインフルエンザ予防として、効果があるという判断になります。
インフルエンザの予防には小さい効果しかなかったとしても、風邪に関していうと効果があることが大学などの研究で発表されています。水でのうがいの効果としては、なにもしない場合に比べて、風邪の発症率が4割減少したという結果が報告されています。
ですから、インフルエンザに対しては効果が小さいとしても、風邪などの予防にもなるのでしっかりとうがいを行うのがよいでしょう。特に、小さなお子様がいる家庭では徹底して行ってくださいね。
インフルエンザ予防のうがいで水以外で効果のあるもの
水でのうがいが多少の効果があることは分かっていただけたと思いますが、その他のモノでうがいをすると効果があるのか気になりますよね。うがいと言って、パッと思いつくのがイソジンになります。その他でいうと、緑茶もうがいの効果を高めてくれるとされています。その理由などを順番に見ていきましょう。
●イソジン
イソジンは米国のNASAが宇宙から帰還した宇宙船の洗浄・消毒に使用しています。未知の病原体に対する対策をしたので有名になった消毒液であり、濃度の高いものでは細菌・ウイルス・真菌に対する殺菌能力は強いので、うがいをするときは用法を守って使用してください。
●緑茶
緑茶に多く含まれるカテキンによる予防効果が大きいとされています。原理としたら、インフルエンザウイルスが体内の細胞に付着するためのトゲにカテキンが吸着することにより、ウイルスの侵入を阻止しているといわれています。
水でうがいをした時と緑茶でうがいをした時を比較すると、緑茶でうがいした時のほうが発熱しにくいという実験結果も報告されています。
イソジンでも緑茶でもうがいの効果はあるとされていますが、水で行ったときと比べて大きな違いが見られないことから、手軽にできる水でうがいをする習慣をつけるのがよいでしょう。
うがいの習慣をつけるとともに、正しいうがいの方法などについてもしっかりと理解しながらうがいをすることで予防の効果を高めることができますので確認しておきましょう。
インフルエンザの予防はうがいをして、更に水を飲むと良い!?
まずは、効果的なうがいのの仕方を覚えておきましょう。
①コップに水またはぬるま湯を準備
②口の中をすすぐ
口の中の1/3くらいの水を含み、顔は正面を向いたままクチュクチュをうがいをして吐き出す
③喉のうがいをする
口の中の1/3くらいの水を含み、顔を天井に向けて口を開けて声を出してうがいをする。ゴロゴロと10秒ほどたったら吐き出してください。これを2~3回繰り返します。
※いきなりのゴロゴロうがいは口の中の菌が混ざってしまいますので、必ず最初に口の中をすすいでください
以下のタイミングでうがいを行うとより効果的です。
●外から帰ってきたとき
●人ごみの中に入ったあと
●空気が乾燥しているとき
●食事の前後
●風邪の流行時期
手洗いの方法がわかったところで、更にインフルエンザを予防するために効果的な方法があります。それは水を飲むということです。水を飲むということは健康にもいいことであるというのは、様々なメディアでも伝えられており、体重60kgの男性で2リットル、体重45kgの女性で1.5リットルが理想の摂取量とされています。
それでは、なぜ水を飲むことがインフルエンザの予防に効果的なのでしょうか?
のどから気管にかけての空気の通り道には、「粘液」と「線毛」というものが存在します。粘液は外部からのほこりやウイルスなどの異物を見つけると、体の中に侵入してもいいように異物に絡みついて包みこみます。この包み込んだ粘液を外へスムーズに運び出す役割をするのが線毛になります。
この粘液と染毛が機能しなくなると、ウイルスなどの侵入を防ぐ力が弱くなるので注意しなければなりません。インフルエンザが流行し始める11月ごろから気温が低下し寒くなって空気が乾燥してくると、線毛の動きが悪くなってきます。そこで効果を発揮するのが「水を飲む」という方法なのです。
水を飲むという行為は、口内の乾燥を防ぎ粘液や線毛の運動を活発にする働きがあるのです。ですから、1日に適量をしっかり飲むことが大切になってきます。夏場ですと、意識もせずに水分をとっていると思いますが冬場になると意識的に水を飲む習慣をつけないと続かないですから、「うがいが終わったら水を飲む」というルールを自分で設けるのもひとつの方法です。
うがいのまとめ
●うがいの効果としては風邪に比べて、インフルエンザへの効果のほうが小さい
●小さな子供がいる場合は徹底して行う
●イソジンや緑茶でのうがいは効果があるが水と大差があるわけではない
●うがいは正しい方法で行うことで効果が得られる
●うがい後に水を飲む習慣をつけよう
うがいについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。やはり、最大の効果を得るためには毎日の継続が必要となってきますので、朝昼晩3回はうがいをするなど習慣付けをしっかりと行ってください。お子様と一緒に今から習慣にしていき、インフルエンザの予防をしていきましょうね。
インフルエンザの予防のために、「うがい」とあわせて「手洗い」についても確認してくださいね。
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