インフルエンザ予防に手洗いは効果的?水だけの方法でもいいの?
2016/11/12
毎年冬になると流行するインフルエンザですが、予防する方法としては予防接種が一般的になっています。それに加えて日頃からの「手洗い」や「うがい」がインフルエンザの予防に効果的という認識が一般的です。
一般的になっているとはいえ、手洗いがどれだけ効果を発揮しているのか気になりますよね。そこで今回は、インフルエンザの予防のための手洗いの効果について詳しく紹介していきます。
正しい方法でインフルエンザの予防が出来ているか、今一度確認してくださいね。特に、小さなお子様や赤ちゃんがいる場合は、家族の予防が重要になってきますので必ず「手洗い」について理解しておきましょう。
目次
インフルエンザ予防に手洗いは効果的なのか?
手洗いが効果的かどうかを判断する上で、インフルエンザの感染ルートを知っておくことはとても重要ですので順番にみていきましょう。まず、インフルエンザの感染ルートとしては、「飛沫感染」、「接触感染」、「空気感染」の3つが考えられます。
●飛沫感染
インフルエンザ感染者の咳やくしゃみなどにより発生する飛沫によって感染するルートです。飛沫には菌やウィルスが多量に含まれており、それを鼻や口から吸い込むことによって感染してしまいます。
一回のくしゃみで約200万個、咳だけでも約10万個が飛散すると言われていますので、インフルエンザの疑いがある人には近づかないのが賢明です。距離で言うと、感染者から約1~1.5mの範囲で飛散します。
比較的大きなサイズでこの距離まで飛んでいますので、小さなサイズになると更に飛散する範囲が広くなりますので注意してください。鼻や口だけでなく、目の粘膜からも侵入することがありますのでこちらをケアしておくこともひつようです。
●接触感染
ウイルスを含んだ飛沫がついたモノを感染していない人が触り、更にその手で目や鼻や口を触ることによって、ウイルスの感染が起こります。
冬の乾燥した状況のなかでは、ウイルスは長時間活動し続けることができますので、感染者の使ったドアノブやスイッチ、食器などには触れないなようにしなければなりません。人で混雑する電車やバスなどの吊り革などにも注意がひつようです。
●空気感染
インフルエンザ感染者の飛沫の水分がなくなると、ごく細かい粒子が残り空気中に長い間浮遊することになります。この浮遊したウイルスを吸い込むことによっておこる感染になります。特に密閉された空間で空気が乾燥していると、ウイルスが長く感染力を持つので、定期的な換気や湿度管理が重要となってきます。
インフルエンザの感染ルートを見てみると、手洗いが予防に効果があることがわかりますね。特に接触感染を防ぐ目的で手洗いが有効的です。ウイルスを含んだ飛沫をあらい流すことによって、鼻や口からインフルエンザに感染するのを防ぐことができますので必ず手洗いを行いましょう。
手洗いを行うにしても、何を使って洗うかによって効果が全然違いますので次項以降で見ていきましょう。
インフルエンザ予防の手洗いは水だけでもいい?
手洗いをするとき、毎回必ず石鹸で手を洗っている人はあまりいないかもしれません。私の周りでも、水だけで手洗いしている人は見かけますが、石鹸を使って丁寧に洗っている人はほとんど見かけないです。
本当に水だけの手洗いで効果があるのでしょうか?ちょっと不安になりませんか?
それでは、不安を解消すべく、水で手洗いをしたときと、ハンドソープで手洗いした場合で比較して見ていきましょう。それぞれ、手洗いした後にお弁当を作った場合、どれだけの菌が食品に繁殖するかで比較しています。
水だけの手洗い VS ハンドソープでの手洗い
【水だけの手洗い】
・水道水の流水のみ
・手洗い時間は約10秒
・手拭き用タオルを使用
【ハンドソープでの手洗い】
・手洗い時間は約30秒
・水道水でのすすぎ
・ペーパータオルを使用
この結果について比較すると、「水だけの手洗い」の場合はお弁当を作った直後でも、1gあたり500~5000個の雑菌が検出されたというデータがあります。また、「ハンドソープでの手洗い」だと多くの弁当のおかずでは、雑菌の検出限度以下になることが実験で確認されています。
それぞれ、作ったお弁当を常温で6時間置いて雑菌の数をみたところ、水だけの手洗いは最大で200万個、ハンドソープの場合は、1000個程度と2000倍もの差がでる結果となっています。こう見てみると水だけでの手洗いでは不十分であることがわかりますね。
手洗い時に注意すべきこと
ドラッグストアなどで石鹸やハンドソープが数多く売られていますが、一般的に売られているものであれば効果は十分に期待できます。しかし、洗い過ぎには十分注意してください。石鹸は脂分を奪っていきますので長時間手洗いしてると皮膚を守るために必要な脂分までとってしまい、逆に雑菌などが皮膚につきやすくなります。さらに、洗い過ぎは手荒れの原因にもなりますので、正しい方法で適切に手洗いをすることが大事になってきます。
インフルエンザを予防するための手洗いの正しい方法
手洗いの正しい方法ですがいくつかのポイントに分けてみていましょう。ポイントとしては、「手洗いの道具」、「手洗いのタイミング」、「手洗いの仕方」になります。この3つを理解しておくことによってインフルエンザにかかる可能を低くすることができます。
手洗いの道具
手洗い時に準備しておきたいものとしては、まず石鹸もしくはハンドソープになります。石鹸やハンドソープは菌自体を死滅させるわけではなく、あくまでも洗い流す目的で使用します。そして、もう一つ準備しておきたいものがアルコールジェルです。
石鹸やハンドソープの手洗いで、大きめの細菌・ウイルスなど を洗い流したあと、アルコールジェルで除菌するという方法がウイルス対策には、とても効果的です。我が家では、小さな子供が二人いますのでアルコールジェルを常に準備しています。
手洗いのタイミング
手洗いのタイミングですが、普段意識をしなければ帰宅時やトイレの後、食品を取り扱うときぐらいではないでしょうか。感染の防止を考えるのであれば以下のタイミングで行うがよいです。
・帰宅時
・トイレの後
・食品を取り扱うとき
・食事の前
・咳やくしゃみを手で押さえたとき
・介護ケアの前後
などが考えられますが、普段は咳やくしゃみで手を抑えたときなんかは手洗いはほとんどしませんよね。しかし、赤ちゃんの面倒を見ているのであれば、咳やくしゃみをした後はしっかりと手洗いをしてから赤ちゃんのお世話をしてください!
手洗いの仕方
【石鹸を使った手洗い】
①石鹸をつけたら手のひらでよくこすり泡立てる
②手の甲をよくこする
③指先、爪の間を入念にこする
④指を交差させて指の間を十分に洗う
⑤親指を丁寧にあらう
⑥手首をしっかり洗う
⑦流水でよくすすぐ
⑧ペーパータオルでよく水気を拭き取る
しっかりと石鹸を泡立てて手を洗ったあとは、しっかりすすぎをして乾かすことを意識してください。
【アルコール消毒手順】
①アルコールをつけたら手のひらでこすり合わせる
②指先、指の背をもう片方の手のひらでこする
③手の甲をもう片方の手でこする
④指を交差させて指の間をこする
⑤親指を丁寧にこする
⑥両手首を丁寧にこする
⑦アルコールが乾くまですり込む
以上、3つのポイントについてしっかりと確認して実践してくださいね。
インフルエンザ予防の手洗いのまとめ
●感染ルートとしたら、飛沫感染、接触感染、空気感染が考えられる
●接触感染に関しては、手洗いがとても効果的である
●水のみの手洗いでは、予防効果が低い
●手洗いは、石鹸とアルコール除菌の両方を行うとよい
●手洗いのタイミングと仕方をしっかりと理解しておく
インフルエンザを予防する為にも、上記のことを常に頭に入れて意識的に手洗いを行ってください。そうすれば赤ちゃんやお子さんに移す可能性がグンと低くなるので、ぜひ実践してくださいね!
インフルエンザの予防については、こちらの記事を参考にしてください。
⇒ 赤ちゃんのインフルエンザ予防は食事や家族の協力が大事!
手洗いと同じくインフルエンザ予防の基本である「うがい」についてはこちらを参考にしてください。
⇒ インフルエンザはうがいで予防できる?水を飲むと効果あり?
マスクの効果について説明しています。
⇒ インフルエンザ予防にマスクの効果は?種類と子供への対処法