育児が辛いと感じたら誰に相談する?産後うつなった私の体験談
初めてのお産。身体の疲れも傷も癒えないまま始まる赤ちゃんとの生活。
げっぷにおむつ替え、夜泣きに沐浴。
初めてのことだらけにとまどうのはみんな同じ。
でも、もしもみんなと同じだと思っていることが辛かったら?
産後うつになった私の体験談を記しますので、育児でお疲れになっている、
あなたに少しでも役立てれれば幸いです。
赤ちゃんがやってきたけど育児が辛い!
待ちに待ったこの日。かわいいかわいい天使がママのもとにやってきました。
小さなあくび、小さな寝息。きれいな産着を着て、そっと差し出した指を握り返してくれる。
わたし、ママになったんだ!! この小さな赤ちゃんと一緒に生きていくんだ!
あれ、なんだこの二日酔いの朝みたいなむくんだ顔。
猿じゃない、、、、ガッツだ、ガッツ石松だよ。
全然かわいくないじゃん。かわいいって言ったの誰だよ。
壮絶な難産、産後の出血多量、意識がもうろうとしているなかでの初対面は、
心の中でこう思っていました。
そして、休もうと目を閉じました。
が!
眠れない、全く眠れない。でも、心身ともに疲れきっている。目を閉じてうとうとしたなと思って時計を見るが、3分しかたっていない。の繰り返しでした。
激痛のおっぱいマッサージに、24時間昼夜問わずに何度も新生児室から授乳のナースコール、沐浴指導に栄養指導、内診に看護師さんの巡回。
1日トータルで20分ほど、うとうと出来るのみで全く眠れませんでした。切開した傷はいたんだまま、頭のなかは考え事が止まらず呼吸は浅い。
過呼吸になりそうでナースステーションまでなんとか身体を引きずって行きました。
ドクターに伝えます。
『先生、全く眠れずとても辛いです。身体も疲れきっていて、、、、。』
先生は笑顔で『一人目のお産なんてこんなものだよ。』と言いました。
そうなんだ、やるしかないな。心身ともに疲れきったまま、廊下の手すりをつたって新生児室に通い我が子を抱く。かわいいとも思う余裕もないまま、右にならえで慣れない授乳をするのでした。
我が子がかわいくないから育児が辛い!?
さて、帰宅し待ちに待った赤ちゃんとの生活。
自分たちで選んだベッドや産着、布団。時が止まったかのような静かな時間。
絵に描いたような幸せの時間。
のはずが。眠れない、相変わらず眠れない。相反してどういうわけだか、よく眠る我が子。
すやすや眠っていて今のうちに、と思って横になっても意味もない押し寄せてくる不安だらけで眠れない。
眠りにつくと分娩台の上の自分が何度も夢に出てきて、汗だくで飛び起きます。
次第に食欲は失せていく一方。
そんなとき、退院指導のときにもらった冊子に目が止まりました。
『ひとりで悩まないで』といった内容が書かれた育児相談の電話番号。
思い切ってかけてみると『一人目ってみんなそうなのよね。』と言われ市役所の育児相談も『最初はそんなもんなのよ。』と言われました。
日に日に悪化していく体調と気持ち。
産後うつという言葉は、当時浸透しつつあったのでインターネットで調べて助産師さんの相談にすると『先生たちにいいお産の経験をさせてあげたと思いなさい。』
と言われ、終いには保健師さんに『あなた、子育て苦労するわよ。』とお告げとも言わんばかりに言い放たれる始末。
人生で赤ちゃんを迎えることは1番と言っても過言ではないくらいはずの出来事。
赤ちゃんはすやすやとよく寝ているのに、微塵にもかわいいと思えない。むしろ恐怖すら感じる。
なぜ、わたしだけが、「赤ちゃんがかわいい!」と思えないのだろう。
主人は、待ちわびた我が子を愛おしそうに見つめ、手を握り、抱きしめる。まさか、母親の私がかわいいと思えないなんて言えませんでした。
と同時にそんな自分に罪悪感と嫌悪感でいっぱいのままの日々が続きました。
そんな日が二ヶ月以上も続き、ある日突然会陰切開の傷が痛みました。心配になり、近所の産婦人科へ。ずっと眠れていないことを伝えると、助産師さんに
『赤ちゃんのことかわいいと思う?』と聞かれました。
思わず涙が溢れてきて、本当はかわいいと思えないこと、そんな自分に嫌悪感を感じていること。涙を流しながら今までの時間のことを産後初めてぶちまけました。
先生から、紹介状を書くから心療内科に行ってね。と言われました。
先生の机から紙がちらりと見えていました。
そこには「うつ病の疑いあり」と書かれていました。私にはやっと話が通じた!と思って涙が溢れてきました。
そのころには、赤ちゃんの世話どころか、自分が生きているだけで精一杯の生活でした。
自分の不調をカバーしきれず、SNSに赤ちゃんの写真をアップしては‘’赤ちゃんはかわいいんだ!!‘’と自分に暗示をかけている始末。
産後うつと子育ての関係性?
そんな私も月日が経つにつれ、産後うつだったことを引きずりながらも、もうひとり赤ちゃんが欲しいと思えるようになり、無事に出産することができました。
こんな日がくるなんて、タイムマシンでもあればひとり目を出産した日の私に一番に教えてあげたい気分。
産院は、私に紹介状を書いてくださったクリニックに変え、先生や助産師さんに妊娠中から不安に思うことや不満、産後うつについても話しました。
すると、助産師さんに『ひとり目のお子さんとの関係はどう?』と聞かれました。びっくりしてしまいました。だって、その助産師さん自身が困難な状況を抱えていたからです。
助産師さん自身が、産後うつにかかり小学校中学年になるくらいまでかわいいと思えなかったといいます。
産後うつにかかったときの、子供との関係はとても難しいというのです。
まさか、助産師という職業のかたから、我が子がかわいくないという話を聞くとは思いませんでした。
「自分だけではなかったんだ!」
とやっと何年も抱えていた思いが昇華した瞬間でした。
話してくださった助産師さんには今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
今や芸能人や海外セレブなども、産後うつを公表しています。
言葉は浸透し、SNSなどでたくさんアップされていますが、実際に産後うつだったというお母さんに会ったことは、私はありません。
恥ずかしいとこなんかじゃない!
と言いながらも、告白する風潮にはまだまだ、なっていないのかと思います。
私は、「一人目ってそんなもんだよ。」と言われ、違うと思いながらも、なにかそう思おうと必死でした。
初めての経験なので、そういうものなのかと思い込むようにしていたのです。
今や10人に1人は産後うつといわれています。放っておけば、治療にかかる期間がどんどん伸びていくだけです。
育児が辛いなと感じたら、自分の思いを抱え込まず、周りの方に積極的に相談するようにしましょう。担当医や助産師さん、もちろん夫や父母、兄弟姉妹など身近な人でもOKです。
どうしても、苦しければ私のように病院に通ってもいいのです。
育児が辛いのまとめ
かわいいと思えないから母親失格?
そんなことはありません。
誰かに話せば母親失格と言われてしまうかもしれないけど、そう思ってしまうものは仕方がないのです。
とことん納得のいくまで話をすることをやめないでください。
そうすることによって、私自身、今では、子供がふたりで微笑みあっているのがとても幸せと思えるようになりましたよ!