紫外線を防ぐ吸収剤と散乱剤の違い。成分と日焼け止めの効果!
2016/04/10
紫外線は夏の暑い時期に強いというイメージですが、実は5月~7月が1番多く降り注いています。
なので夏が始まる前にしっかりと対策しておかなけらばなりません。
紫外線対策としては、日焼け止めを塗るのが一般的です。日焼け止めには紫外線を防ぐ吸収剤と散乱剤が含まれていますが、その成分や効果を理解しているの人が少ないのが現状です。化粧品会社に勤めている人でも知らない人もいます。
吸収剤と散乱剤の違いや成分を知り、自分にあった日焼け止めの使用方法をしてお肌を守りましょう!
紫外線を防ぐ吸収剤と散乱剤の違いとは?
吸収剤と散乱剤の違いを見る前に、紫外線について理解しておきましょう。
紫外線には波長の違う3種類のものがあります。UV-A,UV-B,UV-Cです。
UVはUltra Violet(紫外線)を略した言葉になります。
●UV-A(紫外線A波)
地表に届いている紫外線の約95%を占める。波長が長いので肌の奥まで浸透する。
通年降り注ぐが、4月~8月にかけてピークをむかえる。
●UV-B(紫外線B波)
地表に届いている紫外線の約5%を占める。エネルギーが強く、皮膚の表面に影響を及ぼす。
5月~8月でピークをむかえる。
●UV-C(紫外線C波)
オゾン層で吸収される。
紫外線の種類がわかったところで吸収剤と散乱剤のちがいについて
■吸収剤
皮膚の表面で紫外線を吸収し、化学エネルギーに変化させて放出する。
防御力は高いが肌への負担が大きいのがデメリット。
■散乱剤
有機化合物ではないので肌への負担が少ない。「ノンケミカル」と表示される。
化学変化を起こさないので長持ちしますが、白浮きしやすくベトベトするのがデメリット。
紫外線を防ぐ吸収剤と散乱剤の成分はなに?
それぞれの成分を見ておきましょう。
●吸収剤
①t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
UV-Aを吸収する吸収剤は少ないですが、その中のひとつ。
吸収剤としては最もよく使われる。
②メトキシケイヒ酸エチルヘキジル
UV-Aの次に波長が長いUV-Bを吸収。匂いに特徴があり粘り気のある液体。
使われる頻度が最も高い吸収剤。
③オキシベンジンー3
UV-A,UV-Bの両方を吸収する。
●散乱剤
①酸化チタン
光をよく反射し、粒子も小さいので化粧品などによく用いられる。
②酸化亜鉛
製品に白い色をつける白色顔料としてファンデーションなどに使われる。
紫外線をはね返す性質があるため日焼け止めに使用される。
紫外線を防ぐ吸収剤と散乱剤の日焼け止めの効果は?
吸収剤と散乱剤の効果を見てみると、吸収剤は塗り心地は最高ですが、
吸収できる紫外線の量や種類に限界があります。
そのため、紫外線吸収剤のみでSPF値、PA値の高い製品を作るのは難しいです。
SPF値、PA値って何でしょう。
●SPF値(Sun Protection Factor)
UV-Bを防ぐ働きをもつ。日焼けなどの肌のダメージから守る。
値としてはSPF2~50まであり、SPF50だと何も塗っていない状態と比べて、50倍の紫外線を浴びて初めて赤くなるということ。
日本では「SPF測定法基準」により、SPF50を超えると「SPF50+」と表示される。
●PA値(Protection grade of UVA)
UV-Aを防ぐ働きをもつ。シミ、シワ、たるみから守る。
PA+、PA++、PA+++、PA++++の4段階に別れる。
この2つの値をみて状況に合わせて日焼け止めを選びます。例を上げておきます。
【例1:通勤など】
SPF15、PA++で十分です。日に当たる時間が1時間程度。
【例2:スポーツ】
SPF値30以上、PA+++のものを使用。汗で流れてしまうので何度か塗り直してください。
【例3:アウトドア】
SPF50以上、PA++++のものを使用。ウォータプルーフのものを使うと水の中でも安心です。
例をあげましたが、人によって肌荒れはの恐れもありますので
成分を確認して自分に合ったものを使用してください。
まとめ
吸収剤と散乱剤の違いは理解できましたか?
SPF値とPA値をしっかり確認して、自分に合ったものを使用して肌ケアに取り組みましょう。